厳選!一度は読みたい純文学系【青春小説】おすすめランキングベスト10

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こんにちは、バキ子@bakikomanです。

純文学系の「青春小説」の名作にスポットを当ててランキング!

「青春」という単語は気恥ずかしくはありますが、

やはり小説や映画・漫画には欠かせない鉄板ですよね。

小説ジャンルの多様化とハイブリット化が進んだ現在、

「純文学系」という言葉はもう今となっては

あまり意味を成さないジャンル分けなのかも知れませんが・・・・

でも小説読みの基本にして鉄板のジャンルです。

青春真っ盛りの人もそうでない人も、

優れた青春小説を読めば必ず心が動くはず。

普段あまり小説を読まない、

という方にもおすすめできる10作品を選んでみました!

それでは純文学系「青春小説」、ベスト10をどうぞ!!

第10位 『砂漠』 伊坂幸太郎

こんなこと言うのは失礼ですけど、伊坂幸太郎さんの作品の中では極めてノーマルで「何も起こらない」作品です。でも私は大好きです。伊坂作品の中では一番好きかもしれない。

正直に言うと、私は伊坂幸太郎という作家さんの熱心な読者ではありません。

長編はだいたい読んでいますが、あまり個人的にピンと来なかったです。

洒脱な会話?どこが?と思っていました。テクニカルで完成度が高くて凄い小説家だな、とは思うけど、それほど「グッとこない」というかな。

でもこの「砂漠」という青春小説だけは、すんなり入っていけたんですよね。

等身大のリアルな(頭でっかちな)大学生の活力が全編に充満しているような力強いセリフの応酬が楽しすぎる!

大学生や専門学校生の時って、ちょっと無敵感ありますよね。

怖いもの無しというか。

でも先の見えない漠然とした焦燥感もあって、そのへんの描写も極めてリアルでグッときました。気軽に読めてしまうのに「うーん」と深く考えさせられる社会哲学もあって、これは若いうちに読むべき傑作だな!と思いました。

第9位 『いちご同盟』 三田誠広

泣いた~~これは泣いたわ~~

ツレ―わ~~

( ;∀;)

身近な人の「死」というものを一番深く心に刻む時期はいつかというと、10代ですよね。それより前ではことの重大さにイマイチ気づけないし、20歳を過ぎてからだとある程度人生経験が積みあがっているから感覚が鈍くなってしまっています。

自分自身が確立される手前の不安定な10代という時期に、仲のいい友達や恋人が自分の前から消えてしまう・・・・という経験は、下手をすると一生その人の心に付きまとってしまう。

でもこの小説では、その哀しみをただの「ロマン」で終わらせずに、死にたがっていた主人公が「生きていく覚悟決める」方向に着地していてとても清々しく読めます。

正直涙が止まらない~

( ;∀;)

これは勘ですが、傑作クラシック青春譚『四月は君の嘘』はかなりこの小説を意識していると思いますね。内容はぜんぜん違いますが、物語の核となる部分が非常に似ている。

これもちょっとやそっとでは書けない、凄い青春小説でした。

教科書に載るのも頷ける傑作です。

三田誠広先生はあまり話題にならないけれど、傑作多いんスよねぇ。

これも絶品の恋愛小説でしたなぁ・・・・

第8位 『僕は勉強ができない』 山田詠美

我らが山田詠美!!

これもハイティーンの「少年」の心の内を見事にリアルに捉えた驚くべき傑作です。

一人称で語られる物語ですが、一見チャラいモテ男である主人公・秀美君は、深い洞察力と自分なりの哲学を持った中身も「男前」な高校生。彼が頭の中で考えたこと・語ることが芯を食い過ぎて人生の啓蒙書みたいに読んでしまえます。

でも彼も言ってみれば「所詮、俺はまだ高校生なんだな」という若さ壁にぶち当たりながら成長を遂げていきます。その遅々とした変化がたまらないんですよ。

私が唯一気に入らないのはタイトルです。

作品が発表された時は潔いスタイリッシュなタイトルに思えたんですが、時を経てみると、安っぽいラノベ作品みたいに見えてしまう。もっとカッコイイ文学史に残るタイトルに変えたらいいんじゃなかろうか・・・・と感じています。勿体ないなぁ。

第7位 『三四郎』 夏目漱石

第7位は『三四郎』!!

いいよ~これいいよ~

(∩´∀`)∩

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夏目漱石の中では『こころ』に次いで人気の高い青春小説の金字塔です。

漱石は文豪、文豪って言われてますけど、会話文が多くて読みやすいし、ユーモアもあって面白いですよ。もしお堅いイメージだけで気後れしている人がいたら絶対損してるから読んだ方がいいです。

九州から上京した青年・三四郎の学生生活を淡々と描きながら、内に秘めた恋と友情が描かれます。つかず離れずを繰り返すプラトニックな恋愛模様が、じれったくてドキドキさせてくれるんですよ。少女漫画を読んでる時と感覚似てます。文豪なんつったって同じ人間を描いてるんですからね、そんなもんですよ、ええ。

こちらは漫画版の『三四郎』。今となってはこっちのほうが読みやすいかも知れませんね。

手軽に読んでしまいたい場合はおススメです。

第6位 『GO』 金城一紀

第6位は金城一紀の傑作『GO』!!

純文学、と言うには異論があるかもしれませんが、この青春小説は多くのことを文学的に達成した記念碑的な作品だと個人的に思います。

小説自体はポップな文体で、軽快にアクションシーンなども交えてコミカルですが、要所要所で二重・三重のミー二ングを施して社会と青春の光と影をえぐり出していきます。

例えばこの作品にはいろんなシーンで「GO」というセリフが出てきます。

どういうことだか、何が言いたいか、読めば分かる。

でもストレートには言わない。なぜって、それが文学だからです。

二重、三重の意味を込めた深みのある「GO」というセリフは、現実の差別や偏見を乗り越える唯一の力になり得ます。それが思想やマインドの始まりです。

言葉は言霊ですから、それを発した人の思念が他の人に伝播していく。それこそが「文学」が力を持つことの証明になるのですよ。ハッハ。

金城一紀が、渾身の力でこの国に向かって込めた思い。

それは主人公・杉原のあまりに有名すぎる名言に集約されています。

「別にいいよ、おまえらが俺のことを《在日》って呼びたきゃそう呼べよ。おまえら、俺が恐いんだろ?何かに分類して、名前をつけなきゃ安心できないんだろ?」

「俺を狭いところに押し込めるのはやめてくれ。俺は俺なんだ。いや、俺は俺であることも嫌なんだよ。俺は俺であることからも解放されたいんだ。俺は俺であることを忘れさせてくれるものを探して、どこにでも行ってやるぞ。この国にそれがなけりゃ、おまえらの望み通りこの国から出てってやるよ。おまえらにはそんなことできねえだろ?」

<参照:「GO」より>

 

この力強いセリフは、青春期を過ごしているマイノリティのウソ偽りのない本音ですよね。

《在日》って現実の問題が絡んでくるから見失いがちですけど、もっと広い意味での「自由」を求めている台詞なんですよね。何か特定のレッテルを貼られてマイノリティになっている人からすれば、猶のこと共感する言葉です。

国家間のイザコザとかさ、戦争による暴力とかさ、国ぐるみの差別とかさ、単一民族思想とかさ、そんなのもう時代遅れなんだよ、ダセーんだよ、もっと先へ行こうぜ!

それが「GO」に込められた一つのメッセージ。

大人になって組織に染まってしまうとそう簡単には言い切れないんだけど、自由な立場ならばはっきりと本質を突いて正論が言える、という気がします。それをこの小説は教えてくれた。

他にも、「こういう意味にもとれるんじゃないか」と考え込んでしまう深みのある「ほのめかし」がたくさん隠れている作品なので、じっくり読んでみて頂きたい。

恋人の桜井の最後のセリフ「行きましょう(Let’s Go)」も含めてね。

そう、私たちはもっと先を見据えないと!って柄にもなく思ってしまいました。

第5位 『潮騒』 三島由紀夫

第5位は『潮騒』!

三島由紀夫の作品の中ではかなり異色の、イノセントな輝きに満ちた青春純愛小説。

とにかく文章がむちゃくちゃ綺麗!

情景描写が映画のように浮かんできます。

もともと三島由紀夫は仮面の告白 に代表されるように、若者の暗部というか、ドロドロとした歪んだ情念を執拗に書いていた作家さんですが、ある時、ギリシャの古典恋物語ダフニスとクロエに影響を受けて、もっと無駄をそぎ落としたシンプルな恋愛モノを書こうと思ったそうです。

あまりにシンプルすぎて、ひねりも無く、それまでの三島由紀夫のファンの間では賛否両論だったみたいですけど、単純明快な恋愛ドラマなのでセールス的には大ヒット。

あまりに頭のいい作家なので、もう趣味趣向が一周しちゃったんでしょうね。

(^▽^;)

人間の本来の輝きや理想、そういうものが書いてみたい。

そう思っていたのかも知れません。

第4位 『灰色のダイエットコカコーラ』 佐藤友哉

傑作。

これにつきます。以上!

というわけにもいかないので少しだけお話しすると、あまり心楽しい愉快な青春小説ではありません。けっこうはちゃめちゃで、バイオレンスに満ちています。

佐藤友哉という作家さんは青春期の焦燥感や爆発しそうな烈情のようなものを描くのとても上手い。そして泣かす!

今、純文学系ではいちばん読んでてエキサイティングな作家の一人ですね。

そして言葉遣いがトリッキーなのに文章が読みやすくて素晴らしい。

けっこうぎこちない文体だとは思うんですが、ぐいぐい読んでしまう不思議な魅力(魔力)を持っていますね。大好きです。

デビュー作『フリッカー式』も超絶面白いのでついでにおススメ。

第3位 『ノルウェイの森』 村上春樹

やはり忘れちゃいけない80年代のベストセラーにして未だに愛され続けている

『ノルウェイの森』!!

ゴリゴリの恋愛小説の名作というイメージが強いですが、恋模様そのものよりも主人公の抱えた孤独と喪失感が作品全体に充満していて、これぞ青春小説の金字塔だよね、と思わずニヤリとしてしまいます。

村上春樹の作品の中ではいちばんリアリズム感の強い作品なのは間違いないんですが、主人公が直子に会いに行く「阿美寮」の一連のシーンなんか、非常に幻想的で白昼夢のような印象があってファンタジックにも読み取れます。

本筋のストーリー外にも、純文学らしく隠れた伏線やほのめかしが細かく配置されていて、繰り返し読むたびに新しい発見がある珍しい小説ですね。

第2位 『あすなろ物語』井上靖

井上靖の「あすなろ物語」は大好きな作品です。

日本を代表する作家さんなので僭越ですが、なんといっても描写力が優れている!

とくに女性に関する描写が艶めかしくて色っぽく、かつロマンチックに描かれています。少年・青年男子の女性に対する漠然とした憧れを表現するのがとてもうまい。

幾多の作品に影響を与えた有名なセリフがあります。

「あすは檜(ヒノキ)になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうというのよ」

主人公の鮎太が、家の庭にある冴えないあすなろ(翌檜)の木の由来を年上の女性に教えてもらう有名なシーン。ひどくみじめな毎日を送っている自分とあすなろの木を重ねて、鮎太は志を高く持って生きていく決意をするのです。

このへんがたまらない!!

藤子不二雄Aの自伝漫画『まんが道』にもこの「あすなろの木」に関する一文が登場します。

何者かになろうと必死でもがく「青春」という得体のしれない激情に、これほどしっくりと寄り添う言葉もないのではと思います。

「なろう! なろう! あすなろう! 明日は檜になろう!」

青春の醍醐味ですなぁ。

( ;∀;)

高校野球漫画の傑作「名門!第三野球部」の主人公・あすなろ君の名前もこの「あすなろ物語」から取られていますね。一巻の最初からあすなろについての記述があります。

『あすなろ物語』は、だいぶ古い小説なので時代設定や文化風俗に馴染むのに時間がかかるかもしれません。

でも恋に勉学に仕事にと、またたく間に過ぎていく青春の道程が非常に丁寧に描かれていて心に残る名作です。

たぶんそのへんの図書館でも借りられるので、時間に余裕のある若い人には一度は触れて欲しいですね。

第1位 『コインロッカー・ベイビーズ』 村上龍

第1位はこれだ!

村上龍の「コインロッカー・ベイビーズ」!!

この恐るべき傑作を「青春小説」という括りにしていいのか自分でも疑問ですが、この物語の疾走感と濃密な描写力はいまだに色褪せることはありません。

若々しい青春の輝きに満ちています。

ハッピーエンドとか爽やかさとかそういうものとは程遠いバイオレンスとセクシュアリティに溢れた小説ですが、これを青春と呼ばずしてなんと呼ぼうか。

初めて読んだのは中学生の頃だったと思うのですが、まずその洗練された設定と文体のスピード感に度肝を抜かれ、一気に読んでしまいました。

たまらん。

なんでかは分かりませんが、大友克洋のアニメーション映画AKIRAを観た時と似た感動があったことを覚えています。

 たまには青春小説でもいかがでしょう。

私自身そうなんですが、だんだん小説、それも純文学系の小説をじっくり読む機会が減ってきている気がするんです。

世の中の変化があまりに激しいせいで、一つの作品にいつまでも集中してられないんですよね。社会人になると、仕事や家庭の雑事に追われてしまってなおさらそうなってしまう。

小説読むのは好きなんですが、集中して物語世界に入るのがつい億劫になるんですよね。

「概要だけわかればいいよ」

「ああはいはい、そういうストーリーね」

みたいな感じで穿った読み方をしたり、流して読んだりしてしまいがち。

でもね、

それだと深い感動体験は得られないんですよ。

本は、特に小説は、集中して世界に入り込んでこそ鑑賞し甲斐のあるもの。

たまには一日予定を空けて、じっくりと文章に浸る時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

優れた「青春小説」はそういう時には非常に入りやすい、間口の広いジャンルだと思いますので、未読のものがあったら是非読んでみてください。

以上、純文学系「青春小説」ベスト10でした!!

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