尾野真千子デビュー作『萌の朱雀』ロケ地訪問【奈良県五條市西吉野町】

シェアする




映画監督・河瀨直美さんの『萌の朱雀』という映画があります。

今回は以前から訪問したかったこの映画のメインロケ地である、山深い吉野の里の平雄という地区に行ってきました。映画『萌の朱雀』に心酔した重度のファンである私は感無量です。

これも一つの聖地巡礼ですね。

関連記事:

【秘境探訪】十津川村ってどこにあるの? アニメ『RDG レッドデータガール』の聖地巡礼に命がけで行ってきた
はいこんにちは!アニメ大好き、小説大好きバキ子です。 いわゆるアニメの【聖地巡礼】というものに初めて行ってきました。 突然ですが...

控えめに言って、凄い山奥でステキすぎました。

映画のイメージそのまんまで感動!

ここも秘境中の秘境と言っても過言ではありませんね。

映画をご覧になったことのある方は是非一度訪ねてみてください。




映画『萌の朱雀』と河瀬直美監督について

『萌の朱雀』は1997年に公開された、河瀨直美監督の記念すべき劇場長編映画第一作。

この作品で、河瀨監督は史上最年少でカンヌ国際映画祭カメラ・ドール賞(新人監督賞)を受賞し、映画監督として鮮烈なデビューを飾りました。

ドキュメンタリータッチなカットが多用され、一見、劇映画とは思えない不思議な映像美が最大の魅力でしょうか。限りなくノンフィクションに近い空気感で全体の演出が為されています。

フィックス(固定)カメラのカットや、ゆったりとした長回しも多く、まるで田舎に住む人々の日常をのぞき見しているかのような、独特の雰囲気を持つ映画です。

フィクション感を極力消したいためなのか、出演している役者も、地元の素人さんで固めるという徹底ぶり。プロの役者さんは、お父さん役の國村隼さんのみ。

今を時めく名女優・尾野真千子さんが初主演していますが、この時は演技も映画も初体験の素人さんだったそうです。

万人受けするとは思いませんが、映画好きなら一度は観てほしい作品です。私個人としては邦画の中ではダントツで好きな映画なんですよ。

ほんとナンバーワン。

セリフは聞き取りづらいし、一度見ただけだと意味が分かりづらいし、編集もぜんぜん観客フレンドリーではありませんが、そこがマニアックな映画ファンにはちょっとツボなんですね。

とにかくはじめて見る時は、吉野の山の風景と自然の美しさに酔いしれて、映画の空気を楽しんでほしいです。

河瀨直美と言えば、2017年にもカンヌの最高賞パルムドールまであと一歩だった『光』という映画でも脚光を浴びましたよね。今では日本が世界に誇る偉大な映画監督です。惜しくも受賞を逃しましたが・・・・

ファンとしては早くあげて欲しい、パルムドール。

『萌の朱雀』のロケ地はどこ?

それはさておき、河瀨監督の商業映画デビュー作でもある『萌の朱雀』はそのロケ地の風景の美しさが話題になりました。折り重なるようにどこまでも続く緑の山並みは、リアル『まんが日本昔話』のようです。

いったいここ、ドコなんだ???

若かりし私もそう思いました。

まだネットが整備されていない頃のことだったので、エンドロールを頼りに調べてみると、メインロケ地である「みちるの家」は奈良県の西吉野村、というところでした。

「西吉野村」は2005年に今の五條市に編入され、現在の正確な住所は奈良県五條市西吉野町平雄となるようです。

グーグルさんの力を借りるとこのへんです。

大阪から高速を使って2時間弱というところ。

国道168号線から、途中で細道に入ってしばらくかかりました。

いざロケ地へ!

6月のよく晴れた日でした。憧れのかの地へGO!

大都会・大阪を出発し・・・・

2時間でまるで別世界へ!

余談ですが、日本有数の柿の産地である吉野町地区にはマスコットキャラクター「カッキ―君」が居ます。

現地に行ったらぜひ探してみてくださいW

ちなみに五條市の3大マスコットキャラクターの公式サイトはこちら。

奈良県五條市マスコットキャラクター「ゴーカスター」の公式サイトです。「ゴーカスター」は、ゴーちゃん・カッキー・星博士の3人組ユニットです。

「ゴーカスター」という謎のユニット名を持っているようです。

なんじゃそりゃって感じですが、ゆるくて可愛いww

ロケ地・平雄までの道中はなかなかの難所

国道168号線まではスイスイと行けたんですけどね・・・・五條市の南端・旧西吉野村から平雄地区に向かう道路が、急に狭くなってさらにうねうねとした山道になります。車はぜんぜんすれ違えない細さ。対向車が来たら完全アウトな道でした。

(;´・ω・)

しかし!めげずにクルマでぐいぐい登っていくと・・・・

あった!あったよ!

ほほう、ロケ地のお家には記念碑があるんですね。

こういう細道が山の中にうねうね走っています。

なんとも興味深い集落です。歴史も古いんだろうなぁ。

ロケ地「赤い屋根の家」発見しました。

赤い屋根のお家・・・・

お、これだ!!

ばばーん!

このお家のシルエット、屋根の色、広場。

映画をご覧になった方ならピンと来るはずです。

ついに来たぜ、この場所へ!

車が二台停まっていたのでちょうど持ち主の方がいらしていたようなんですが、残念ながらお会いすることは出来ませんでした。畑仕事にでも出ていたんでしょうか。

『萌の朱雀』の記念碑もバッチリ撮影!後ろの軽トラが生活感あっていいですね。

映画のカットに近い場所から

お家の裏が少し高台になっていて、細道があったのでちょっと失礼してパシャリ。

映画内で「みちる」が屋根に登って山を眺めるシーンがありましたが、カメラを据えたのはこのあたりだったのかもしれません。

いや、本当に絵になるわ・・・・

よくこんな場所見つけたものです。ロケハン相当通ったのかな。

お家の裏をぐるりと一周。しかしすごいパノラマ。どこもかしこも絶景です!

感無量の記念撮影。

ロケ地周辺はどこも絶景

お家の目の前には鉄パイプが組まれ、玉ねぎが干されていました。

野菜の干し場なんでしょうか。なんか凄い絵ですね。

山の急な斜面に所狭しと畑が作られていて、しっかり手入れされています。

噂には聞いていましたが、奈良の山間部の畑はワイルド!

作業しづらそうですけどね・・・・

凄いところに家がありますよ。道路以外はほぼ斜面だらけ。

連なる山々・・・・美しい。見晴らし最高です。

以上、『萌の朱雀』のメインロケ地、平雄地区の『みちるの家』でした。

個人的な思い入れが強いのでウロウロと長居してしまったです。

(^_^;)

未視聴の方は映画『萌の朱雀』を是非。

『萌の朱雀』は河瀬直美監督自身によるノベライズもあります。これもなかなか詩的でいい出来だったのでおススメです。少し悲しい物語ですが、静かな感動が待っていますよ。

今回は時間が無いのでこのメインロケ地にしか行けませんでしたが、『萌の朱雀』のロケ地巡りはけっこう見どころ満載。西吉野は何も無いようで、実は観光名所がたくさんあるみたいです。いつか他のポイントも回ってみたいですね。

こちらのサイト様が細かく回って写真に収めてくれてて凄い見ごたえがありますよ。

『萌の朱雀』ファン以外にはあまり興味が無いレポートになってしまいましたが・・・・

私は本望だ!!

そして、ここまで読んでくださった映画未視聴のそこのあなた!

是非一度、ご覧になってみてください。

雰囲気を楽しむだけでも見る価値のある素晴らしい映画ですので。

TSUTAYAでレンタルもできまるはず!心を無にして見てください。

(*´▽`*)