こんにちは、バキ子@bakikomanです。
この頃、小説の古典名作のコミック化(コミカライズ)作品をよく読んでいます。
時代の洗礼を受けてきた優れた古典小説を題材に、最先端の感性を持った現代の漫画家さんが凄いコミックを生産してくれているのです。
正味な話、原作アリの映画とかアニメって、
劣化することが多いですよね。
(;^ω^)
でも私の印象では、小説の漫画化作品にはこの独特の「劣化」が少ないように感じます。むしろ良くなってる、面白くなってる、小説よりも丁寧な描写があって分かりやすい、と感じる作品がけっこうたくさんあります。
その中でも、
これは原作超えたかもな!
と思えるスゴク面白い漫画作品を4つセレクトしてみました。
コミックス版未読の方、あるいは原作はちょっと読むのめんどくさい、という方はぜひあの名作・この名作を漫画で体験してみてください!
『地底旅行』 原作:ジュール・ヴェルヌ
ジュール・ヴェルヌといえば、ヴェルズと双璧をなすSF小説の父。
まだ「SF」というジャンルすら無かった頃に、数多くの傑作科学冒険小説を残しています。
単なる子ども向けの荒唐無稽な小説ではなく、当時の最新の科学知識をもとに冒険しているので、適度に知的でリアリティがあるんですよね。
そんなヴェルヌの傑作の一つをコミカライズしたのがコレ!
『地底旅行』はちょっと頭のネジが外れたマッド・サイエンティストのリーデンブロック教授とその甥っ子の青年アクセルが、「地球の内奥」を目指してひたすら洞窟を探検する物語。
まだ地球の内側がどうなっているのかはっきり分かっていなかった時代の作品なので、多少ファンタジックではありますが、純粋にワクワクする冒険モノとして珠玉の面白さです。
原作が大好きだったので、このコミック化は嬉しいですね~
絵柄もいいんですよ!原作のイメージとピッタリです。
ヴェルヌの原作をかなり忠実に再現しつつ、画で魅せる技も抜群。
原作もおススメなんですが、まずはこのコミック版から入るのもアリだと思います。
「すべての冒険小説の原点」と称される、
硬派なドキドキわくわくをぜひ体感してみてください。
ジュール・ヴェルヌはほかにも面白いリアル志向の冒険活劇が多数。
有名どころと言えばこのあたり。
『海底二万里』はアニメ『ふしぎの海のナディア』の原作本としても有名ですよね。
『ラヴクラフト傑作集』原作:H.P.ラヴクラフト
膨大な量の、いわゆる「クトゥルフ神話」を書き続けた異端のホラー作家・ラヴクラフト。
小説好きの人なら一度は手にしたことがあるのではないでしょうか?
生前はまったく売れない三流作家でしたが、死後にその世界観の巨大さ・異様さが評価され、ドンドン人気が出て今では世界的な古典ホラー作家です。
ある種の人々にとっては避けて通れない通過儀礼のような作家ですよね。
私も一時期けっこうハマったものです。
コミカライズはけっこういろんな作家さんがやっていますが、
現在のラヴクラフト漫画の決定版は間違いなくコレ!
田辺剛さんのラヴクラフトの短編シリーズは
とにかく絵と雰囲気が凄い。
ラヴクラフトの描く無機質な闇と悪夢的な恐怖感がひしひしと伝わってくる、ほとんど芸術作品のようなコミックです。
「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」を提唱したラヴクラフトの信条そのままに、「わけが分からないけどスゲェ怖い」ホラー作品が目白押しです。
もしかすると原作ファンのほうが、深く感じ入る漫画かも知れませんね。
クトゥルフたちの生々しい姿を視覚的に補完できて満足感がありますよ。
全部見ごたえがあって面白かったんですが、
個人的には有名な短編「ダゴン」が入っているこれがおススメ。
ああ そんな・・・・!
神よ!
窓に!窓に!
ネットやSNSでさんざん使われていますが、もとネタはここですwww
クトゥルフ神話の代名詞的なエピソードですね。
この素晴らしい作品群はまだ続刊中のようですが、こちらまとめ買いもできます。
ヨーロッパのバンドデシネのような大人っぽい絵柄ですが、
一度読むとクセになりますよ!
『罪と罰』 原作:ドストエフスキー
ドストエフスキーの『罪と罰』の原作は慣れると面白いんですが、19世紀半ばのロシアの庶民の生活や時代背景がある程度飲み込めていないと、読みにくいのも事実です。
台詞もさすがに古くさいしね・・・・
内容はけっこうワイドショー的・ゴシップ記事的なお話なので、もう少し分かりやすい翻訳が欲しいところです。
そこで、原作からはだいぶ細かい設定が変わってますが、
こちらがおススメです!
舞台を19世紀のロシアから現代の日本に置き換え、登場人物やエピソードも大分変更が加えられていますが、原作の魂はそのまま!
ていうか、ぶっちゃけ原作よりよほどグッとくる。
“ひきこもり”と援交女子高生。ドストエフスキーの名作を原案に、現代の少年少女たちの抱える闇に迫る問題作。大学をドロップアウトし、自室にひきこもる裁 弥勒(たち・みろく)。女子高生リサとの出会いによって、恐ろしい「ある計画」に手を染めることに…!
落合尚之さんはかなり好きな漫画家さんなんですが、寡作なんですよね・・・・
結構前の作品ですが、『黒い羊は迷わない』という漫画も凄く面白かった。
続編を密かに期待していたんですが、出ないようですね。
(>_<)
また凄い大作を期待したいところです!
原作『罪と罰』を読むならこちらが読みやすいですよ。
小説版の中では革命的なやさしい翻訳本ですね。
落合尚之さんの漫画版『罪と罰』はけっこう評価の高い傑作なのでご存知の方も多いと思いますが、未読の方のために取り上げてみました。
読まないともったいないから絶対読んで!!
( ゚Д゚)
番外編: もう一つのコミック版『罪と罰』
『罪と罰』の漫画版にはもう一つ見過ごせない傑作が!!!!
表紙はなんかカッコいいですが、よく見てください。
作者は漫F画太郎先生です!!
安心してください、中身はあの画太郎節が炸裂してますよ。
どっちかというとこちらのほうが原作に忠実かもしれませんね。
最終巻4巻の表紙がこちら。
あ、やっぱり画太郎先生だね!
(≧◇≦)
でもこの作品、一見画太郎のシュールギャグ漫画に見えますが、けっこう深い内容で、『罪と罰』の大意をしっかり捉えていると思いますね。
特に最終巻は衝撃的です。相変わらず夢に見そうな画力。
全部、原作越えの面白さ。
断言しますが、今回取り上げた4作品は、どれも原作と拮抗しているか、原作を凌ぐ面白さと分かりやすさを備えているので鉄板でおススメします。
古典名作ってなかなか読むのしんどいですから、漫画でパーッと概要を押さえてしまうのもいいですよね。原作が気になったらじっくり小説を読むのもいいと思います。
以上、古典小説のコミカライズ傑作4選でした!