ブラック企業は情熱とモラルが無ければ強制収容所と変わらない

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こんにちは、バキ子@bakikomanです。
 
近年、不当な超過労働や過労死の問題が大きく取り上げられるようになりました。
 
 
「ブラック企業」や「社畜」なんていう単語も今では普通に認知されていますけど、ここ数年で急に浮上してきたキーワードですよね。
 
 
私が社会人として働きだした頃は、
まだそんなワードは流行っていませんでした。
 
 
「和民」や「電通」の過労に関する事件なんて本当に胸が痛みます。
 
 
今後、政府の「働き方改革」がどの程度一般企業に浸透して強制力を持つのか分かりませんが、早く次世代の「働くシステム」が全国的に展開されることを願って止みません。
 
 
 
かくいう私も正真正銘のブラック企業でせっせと働いていました。
 
 
 
たぶん一日平均14時間くらいは会社か外回りでした。
 
 
 
私は基本アホなので疑問も持たず元気いっぱい社畜生活を送っていましたが、
退職してからつらつら振り返ってみると、
 
 
ああ私も結構病んでいたんだなぁ、
危なかったなぁ、
 
 
と思い当たることが多々ありました。
 
 
萌えアニメに逃避しだしたのはその頃だったかなぁ・・・・
 
 
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特に「自分は精神的に強い」と思いこんでいたから余計に危ないんですよね。
 
もうとっくに心の臨界点を超えているのに、気がつかないんです。
 
 
「このくらい、どうってこと無いぜ!」と強がって、
「なんだ坂、こんな坂」精神で頑張っちゃう。
 
 
 
実を言うと、働いている時はさほど辛い、という感覚は無かったんです。
 
 
「会社に行くのが嫌で嫌でたまらない」くらい追い詰められたことは無かった。
 
 
大変だったけど、それなりに充実していました。
 
 
次々襲い来る無理難題に対応しているうちに、
だんだんゲーム感覚になってきました。
 
 
「ハイ1面クリア!ハイ2面クリア!」
 
という具合にポンポン毎日が過ぎていったものです。
 
 
こちらのライフがゼロになって
 ゲームオーバーになったこともありましたけどね・・・・
 
(;^ω^)
 
 
 
おかげで逆境に耐える精神はけっこう鍛えられたと思います。
鉄のメンタルを持つ女・バキ子の誕生です。
 
 
でも、そうやってなんとか乗り切って来れたのはどうしてでしょう?
 
 
私が思うに、
 
 
会社の雰囲気や士気(モラル)の影響が大きかった
 
と思うんです。
 
 
ブラック企業を擁護するわけではありませんが、多少キツイ仕事でもモチベーションさえ高く保てていれば人って生き生き働けるんじゃないかと思うんですよね。
 
 
ただ無目的にキツイからみんな潰れていくんじゃないかと。
 
 
会社にとってモチベーションをキープする雰囲気作り、いわゆる「社風」というものに社員がいかに影響されるのか、ちょっと書いてみようと思います。
 




私の会社はブラック過ぎて黒光りしていた

 
 
私の在籍していた会社のことを話します。
 
 
分かりやすく言うと芸能プロとイベント会社を足したような会社です。
何組かの手持ちの劇団チームやパフォーマーを商品として売り出す仕事です。
 
 
全国各地で舞台(演劇・ミュージカル・パフォーマンス)の企画・上演をしたり、
地方や大学のイベント運営をしたり、そのための営業活動をしたり。
 
 
お察しの通り、あまりフツーの会社ではありません。
 
 
 
私は営業と企画制作を掛け持ちしていましたが、
3年ほど本部の人事担当をしたり、人手が足りないところにヘルプで駆けつけたり、
あちこちの部署に首を突っ込んでいました。
 
 
これは別に私が有能だからではなく、慢性的に人手不足だったからです。
 
 
この仕事、商売柄しょうがないんですが、
仕事とプライベートの区別がつけづらいんですね。
 
 
まずなにしろタイムカードというものがありませんでした。
さらに「残業」という概念がありませんでした。
 
 
ね?ブラックな匂いがしてきたでしょ?
 
 
 
いちおう「月に7日は休みましょう」という規則にはなっていたのですが、そんなの誰も守りません。
 
休むとドンドン仕事が溜まるからです。
 
 
休日も余裕で出勤したり会議したり営業に出たり。
 
 
労働時間の管理がおざなりなので、社員はいくらでも働けるし、
考えようによってはいくらでもサボれます。
 
 
でもサボっている人はほとんどいませんでした。
サボり癖が付き始めた人から順番に辞めてしまうからです。
 
(; ゚Д゚)
 
 
だから残っているのはパワフルで勤勉な人だけ。
 
 
とっても勤労精神にあふれた会社でしたよ♪
 
 
ブラックにさらに磨きをかけてもう逆にピッカピカ☆
 
 
みたいなね。
 

 

仕事がきつくても頑張れる理由

 
 
なぜ、あの会社でも頑張れたのか?
 
 
なぜ、今も頑張れている人たちがいるのか?
 
 
会社を離れた今、冷静になって考えてみて、こういう結論が出ました。
 
 
 
会社全体として情が深く、
 
モラルが高いからです。
 
 
 
人と人との結びつきが深く、
 
コミュニケーションも円滑、
 
困ったことがあったら互いに親身になって話を聞く、
 
飲みに行く、
 
また明日頑張ろうな!
 
という社内の文化があったのです。
 
 
一体感というか。
 
 
もちろんそういう社風は上の人(社長・専務・部長クラス)が作り出すんですが。
 
 
 
人が少ないせいもあって、重要な仕事もバンバン回ってきます。
 
とくに会社に入って日が浅い新人なんかは、
 
「任せられるのお前しかいないんだ、頼むぞ!」
 
と熱く迫られれば、
 
「イエッサー!」
 
と敬礼して応えようとしますよね?
 
 
 
そしていつの間にか頑張り過ぎちゃう。
 
頑張り過ぎて疲れていると、
 
「どうした悩みか話してみろよオイ飲みに行くぞ!」
 
そしてまた適度なアメとムチを上司にもらって、
 
 
 
「頑張ろうな!」
 
「イエッサー!」
 
この繰り返し。えんえんこの繰り返し。
 
 
 
もはや会社とは思えない熱血でアットホームな雰囲気がそこにはありました。
 
スクールウォーズかよ!って感じ。
 
(;^ω^)
 
でももしかしたら、バブル以前の昭和の会社員って、
こういう雰囲気だったのかも知れないですね。
 
「みんなで会社を盛り立てて行こう!」
 
という熱い雰囲気作りが上手い経営者が多かったんじゃないかな。
 

社員のやる気を引き出すにはまずモラル管理が大事

 
 
今にして思えば、
これはある種のプチ洗脳です。
 
マインドコントロールに近いものがあります。
 
アメとムチを上手に使い分ける高い能力がある経営者は、
たとえブラックでも社員のやる気を引き出せます。
 
 
思うに今騒がれている「ブラック企業」というところの大半は、
 
 
経営者や幹部が
社員の行動管理・モラル管理を出来ていない
 
 
ことが一番の問題なのだと思います。
 
ただ単に労働時間が長い、つまらない、つらい、眠い、キツイ、では誰だって病気になります。
 
 
社員を使い捨て感覚で動かしている会社は、いつまでもブラックなままでしょうね。
 
 
そこをうまくクリアして回していくのが会社組織を健全に保つ秘訣だろうと思うんですが・・・・
 
なだめたりすかしたり、時にはご褒美を与えたり・・・・
 
 
まあ、これは普通の会社でも言えることですね。
  
 

宗教と会社勤めは似ている

 
 
余談ですが、私は宗教と会社勤めは非常に似ていると思います。
 
宗教は教義(モラル)で人を縛りますが、会社はお金で人を縛ります。
 
 
今の会社はお金だけで縛っているからダメなんですよ。
 
 
モラルもはじめはあったんでしょうけど、完全に形骸化している会社が多い。
 
 
お金だけで人の心は動きませんからね。
 
 
そこで働くことで、お金以外になんらかのメリットや、「やりがい」を感じられなければ、人は会社のためになんか働かないですよね?
 
 
ただ単に納得のいかないこと、辛いこと、つまらない作業ばかり。
 
家には寝に帰るだけ。4時間寝たらまた会社。
 
楽しみはお金だけ。
 
 
それでは一日一回食事を与えられる強制収容所と変わらないじゃないですか。
 
 
そういうブラック企業ならば、即刻辞めるべきです。
 
 
 
 
私の場合のようにモラルが高くて黒光りしてるブラック企業の方は・・・・
 
まあ、やりたいようにやるといいですね。
 
好きでやっているんだからね。
 
 
 
 
それにしても「人をやる気にさせるメカニズム」
 
って興味深いですよね・・・・
 
 
アメリカに、こんな格言があるそうです。 
 
 
金を出せば良い犬を買うことはできる。
 
だがそいつに尻尾を振らせることができるのは、愛だけだ。
 
 
なるほどね!
って感じです。
 
 
愛や宗教とまでは行かなくても、これからの会社経営にはある程度、
 
若者の心をつかむ説得力のある教義・スローガンが求められているのでは?
 
と思う今日この頃です。