見逃してない?【洋画の傑作ロードムービー】おすすめランキング ベスト10

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洋画の傑作ロードムービー、鉄板ベスト10をセレクトします。
 
 
映画って、数が多すぎてどれ観ていいか迷いませんか?
 
 
特に評判のわからない過去の映画はちょっと観るのを躊躇してしまいがち。
もしかしたら2時間がんばって観た結果、すんごい駄作かもしれないし・・・・
 
 
クソ面白くない映画を観きった時の、あの徒労感ったら無いですよね。
 
(;^ω^)
 
 
 
そこで、
 
「これはハズレません!」
 
と映画好きな私が太鼓判を押す10作品をセレクトしました!
 
 
今回はロードムービーのおすすめセレクションです。
 
「ロードムービーとは何ぞや?」という明確な定義はありませんが、
「旅の道中のドラマを描いた映画作品」と捉えれば間違いないかと思います。
 
なるべくバランスをとって古典から近作まで整理してみましたよ。
 
それでは洋画の名作ロードムービー、ベスト10をどうぞっ!!
 
 
 




第10位 「ファンダンゴ」

 
 
時はベトナム戦争中の71年。大学を卒業した5人組“グルーパーズ”は来たるべきそれぞれの現実から逃避しようと仲間の証しである“ドム”に再び出会うため、オンボロ車に飛び乗り最後のファンダンゴ(スペイン語でバカ騒ぎの意味)を起こす旅に出発する。誰もが一度は味わう、青春のほろ苦い思い出を蘇らせてくれる青春ロード・ムービーで、5人の持つキャラクターをうまく反映させ、商業デビュー作とは思えぬほどの演出力でしっかりまとめた上出来作。
 
アメリカの青春ロードムービーの金字塔といえばコレ!
若かりしケビン・コスナーが主演しています。
 
 
痛快で楽しい若者の珍道中。全編に青春の輝きが詰まっています。アメリカの大地を車で旅する風景も満載です。
 
 
秀才君役のレスターが、ほぼ全編、酔っぱらってずーっと寝ているのもコメディっぽくて笑っちゃいます。
 
 
でもそんなバカ騒ぎ(ファンダンゴ)にも、いつか終わりがやってきます。大人になって社会に散っていく前のひとときの小旅行を、コミカルに、ときにシリアスに切り取った最良のメモリアル・ムービー。
 
 
いいですね、青春映画って!
 
 
それにしてもアメリカってけっこう砂漠とか荒地だらけですね。
 
 
これを観ると、「アメリカって未開拓な場所が多いんだなぁ、広い国だなぁ」とつくづく思います。

 

第9位 「まわり道」

 
 
ウィルヘルム(リュディガー・フォーグラー)は、不安とあこがれにいざなわれて旅に出る。作家になりたいという希望を持っている彼。途中で彼は、旅芸人の老人と少女や放浪詩人達と知り合う。中には女優のテレーサ(ハンナ・シグラ)もいた。さまざまなことを語り合う彼ら。ウィルヘルムはテレーサを愛するようになる。だが、やがていつしか彼らは再びバラバラに散っていく。放浪詩人は自ら別れを告げ、ウィルヘルムと老人はいさかいをし、少女とテレーサは共に旅立っていく。そして、1人になったウィルヘルムは小説を書き始めるのだった。
 
ドイツの巨匠ヴィム・ヴェンダースの初期「ロードムービー三部作」のうちのひとつ。
 
 
ロードムービーという形式がまだ黎明期の頃、この「まわり道」がその後の作品のスタイルを確立したと言っていいでしょう。
 
 
もはや古典名作ですね。現代も多く制作されている青春ロードムービーの系譜は、このあたりから始まっているのではないかと思います。
 
 
非常に形式ばったきっちりした映画で、観ていて「律儀だなぁ」と思わずにはいられない。
観る人によっては、ちょっとマジすぎて痛く感じるかもしれません。
(;^ω^)
 
 
旅に出て、いわゆる「自分探し」をして新たな視点やモチベーションを獲得したい(小説に書くべきことを見つけたい)というのが主人公ウィルヘルムの思惑ですが、物事はそう上手くは行きません。彼は道中、ずっとスランプです。
 
 
ウィルヘルムは道中でさまざまな人に会い、さまざまな経験をしますが、でも結局は自分自身は何も変わっていない、という冷酷な事実にラストで気がつきます。
 
 
いったい自分は旅を通して何を学んだのか?
 
 
答えは出ないまま、ラストで彼は筆をとり、苦しみながら文章を書き続ける決意をします。
 
 
彼が旅で得たものはなんでしょう?
 
 
私が思うに、
 
「旅に出たくらいで自分が見つかったら、人生苦労しねーよ」
 
という一歩オトナな視点なのではないかな、と思います。
 
 
でも「自分探し」なんか関係無くても、私たちは旅行しますよね。
 
 
どうして人は、自分は、旅をしたくなるんだろう?
 
 
この映画を観るたびに、そんな疑問がぐるぐると巡ってきます。
 
 

 

第8位 「あの頃ペニー・レインと」

 
 
 
「セイ・エニシング」「ザ・エージェント」のキャメロン・クロウ監督が自身の体験を基に、ブレイク寸前のロックバンドのツアーの同行取材を任された15歳の少年の姿を描いた青春音楽ムービー。少年が恋するグルーピーの少女を演じるのはゴールディー・ホーンの娘ケイト・ハドソン。15歳の少年ウィリアムは伝説的なロック・ライターに自分の記事が気に入られ、ローリングストーン誌の仕事をもらう。さっそく取材で楽屋を訪れた彼は、グルーピーの中にいたペニー・レインに一目惚れする。
 
青春映画の名作としても名高い「あの頃ペニー・レインと」。
 
 
頭はいいけど、生真面目で内向的な少年が、破天荒なロックバンドの兄さんたちとアメリカ各地を旅して回る、という対比がすごくドキドキさせられます。
 
 
誰にでも訪れる少年期の終わりの、あまりにも苦い恋模様。
最後には泣いちゃいましたよ・・・・
 
 
ヒロインのペニー・レインのエロくて可愛いこと!!
そりゃー好きになっちゃうよね。
(;^ω^)
 
 
孤独で頭でっかちだったウィリアムが、どんどん成長して世界を広げていく様子がとても愛おしい作品です。
 
 

 
 

第7位 「ストレイト・ストーリー」

1994年にNYタイムズに掲載された実話を基に、「ツイン・ピークス」のデヴィッド・リンチ監督がユーモアとペーソス溢れるタッチで描いた感動作。アメリカ・アイオワ州ローレンスに住む73歳のガンコな老人アルヴィン・ストレイト。ある日、彼のもとに、76歳の兄が心臓発作で倒れたという知らせが入る。10年来仲違いをしていた兄に会うため、アルヴィンは周囲の反対を押し切り、たったひとりで時速8kmのトラクターに乗って旅に出ることを決意する。

  
当時は「あのデヴィッド・リンチがまさかのコメディタッチなロードムービーを作った!」と話題騒然になりました。
 
 
リンチ映画で「心温まる」「ほっこりする」「泣ける」映画はこれ一本のみ。
あとは、まあ、皆さんご存知の通り・・・・
(;^ω^)
 
 
非常に無駄のない完成度の高い傑作コメディ映画です。
そしてラストシーンの感動は、ちょっと筆舌に尽くしがたい。
 
 
「オレ、やろうと思えばこういうのも作れんねんで」
 
 
みたいな余裕すら感じさせますね。
このあたり、きちんと締めてくるところは、やはり天才・リンチの仕事です。
 

 

第6位 「イントゥ・ザ・ワイルド」

 
 
1990年夏、ジョージア州の大学を優秀な成績で卒業した22歳の青年、クリス・マッカンドレス。卒業祝いに新車を買ってあげるという両親の申し出をあっさり断った彼は、通帳にあった預金全額を慈善団体に寄付し、家族に何も告げることなく、文字どおり無一文でアラスカへ向けて旅に出る。道中、様々な出会いと経験を重ねるクリス。サウスダコタでは彼の無鉄砲を諫めてくれる陽気な兄貴分ウェインと親交を深め、スラブスではヒッピーなどアウトサイダーたちが集うコミューンに身を寄せ、そこで美しい少女トレイシーと出会う。彼女はクリスに好意を抱き、クリスにも恋心が芽生えたかに思われたが…。一方その頃、残された家族は音信不通の息子の身を案じ、祈る思いで彼の帰りを待つのだったが…。
 
これも美しい映画です。大好きですねー。
 
 
ちょっと重い部分もあるけど、一度観るべき鉄板の感動作。
 
 
アメリカの上流階級のお坊っちゃんが、恵まれた環境の全てを捨ててアラスカを目指して旅するシンプルなロード・ムービー。
 
 
原作は全米ベストセラーとなったジョン・クラカワーのノンフィクション荒野へ
つまり、実話を元にしています。
 
実際にアラスカの奥地で、裕福なアメリカ青年が死体となって見つかった、という事件があったらしいです。
 
 
環境にあまりに恵まれている主人公・クリスは、生の実感が持てず、人生を自力で切り開く機会がありません。普通ならそれに甘んじてレールに乗って生きていけば幸せなのでしょうが、ある種の人間はそれでは満足できないんですね。その気持ちもなんとなくわかる気がしますが・・・・
 
 
だからって、財産をすべて投げうって、ひとりでアラスカくんだりまで行かなくってもいいじゃないですか。
(;・∀・)
 
 
この匙加減が常軌を逸しています。
 
 
でもそんな主人公のどこまでもピュアな心情が、たまらなく胸を打つんですよ。
 
 
これもさほど日本では話題になりませんでしたが、青春ロードムービーとして素直に面白いし、人生について深く考えさせられる映画なので、是非ご覧ください!
 

 

第5位 「ペーパー・ムーン」

 
 
聖書を売り付けて小金を稼ぐ詐欺師のモーゼが、亡くなった知り合いの娘アディと出会う。彼は嫌々ながら彼女を親戚の家まで送り届ける事になったが、ペテンの相棒としてアディと旅を続けるうち、モーゼは父親めいた愛情を感じていく……。モノクロの映像が30年代の雰囲気を巧みに伝える、心温まるロード・ムービー。
 
これは客観的に観たら、ダントツの1位でもおかしくないロードムービーの傑作ですね。
有名作だから観ている方も多いと思います。
 
 
お調子者で小賢しい男・モーゼと、賢いけれど孤独な少女・アディの珍道中。
二人の終始、軽妙なやりとりがユーモラスで楽しい作品です。
 
 
旅先でのハプニングや人々との交流を経て、二人のあいだに親子のような恋人同士のような、微妙な絆が出来上がっていく描き方が秀逸。
 
 
でも大人のモーゼは、平気でアディを捨てようとしたり、邪魔されると怒鳴りつけたり、自分の都合ばかりで行動します。そこがリアルと言えばリアルで、ただの楽しいおとぎ話ではないところも人気の秘密かもしれません。
 
 
モーゼは言ってみればロクデナシなわけです。でもそんなモーゼにしがみつくように付いてくるアディが、ちょっと哀しいけれど幸せそうに思えます。
 
 
最後のシーンなんかは、モーゼがアディに「落とされた」感じがしてなかなか痛快!
ほっこりさせられますね。
 
 
主役のライアン・オニールとテイタム・オニールは実の親子。
そのせいか、本当に息がぴったりの名シーンが作中にいくつもあります。
 
 
子役のテイタムの演技の達者なこと!
お父さんだからリラックスして演じられたんでしょうかね。
 
 

第4位 「パリ、テキサス」

 
 
テキサス州の町パリをめざす男。彼は失踪した妻を探し求めていた。男は、4年間置き去りにしていた幼い息子との間にも親子の情を取り戻す。そして、やがて巡り会った妻に、彼は愛するがゆえの苦悩を打ち明ける……。さすらいの監督W・ヴェンダースが、S・シェパードのシナリオを得て、ロード・ムービーの頂点を極めた秀作で、カンヌ国際映画祭グランプリに輝いた。
 
またもやヴィム・ヴェンダース監督作品。
ベルリン・天使の詩」と並んでヴェンダースの出世作のひとつです。
 
 
なんていうかね、
 
ちょうどいい!!
 
 
って感じなんです。観ていてすごくしっくりくる。
この時期のヴェンダース映画は、ファンだと公言している小津安二郎の影響なのか、すごく「静寂」というものに気をつかっているんですよね。静かな長回しのカットが多い。
 
 
その静寂の中で、目線や仕草、相手への行動を通して目に見えない「感情」を表現するのです。その技法の集大成というか、一番の成功例がこの「パリ、テキサス」です。
 
 
旅の過程で、アメリカのなにげない街の風景が妙に色鮮やかで美しく活写されています。
まるで現実のアメリカっぽくない。ちょっと憧れというか、監督の補整が働いているように思います。
これは監督がドイツ人だというのもあるんでしょうね。アメリカ人では見慣れ過ぎていて、こんな新鮮に撮れないでしょうからね。
 
 
ナスターシャ・キンスキーが元妻役で出てくるんですが、これが最高に色っぽくて綺麗。
ぎこちない元夫婦の告白タイムが、ちょっと理解しがたいけど名シーン!!
 
大人の映画だなぁ!
 
 
さらに抑制の効いたラストシーンが、秀逸すぎます。最高にカッコいい。
ほとんど往年の日本映画のようなラストですね。
 
 
まあ結局、ヴィム・ヴェンダースが好きなんですね、私。
 
 
(*’▽’)
 

第3位 「リトル・ミス・サンシャイン」

 
 
アリゾナ州に住むフーヴァー一家は、家族それぞれに問題を抱え、崩壊寸前。パパのリチャードは独自の成功論を振りかざして“負け組”を否定し、長男ドウェーンはそんなパパに反抗して沈黙を続ける。9歳の妹オリーヴはとうてい無謀なミスコン優勝を夢見て、ヘロイン常習のグランパは勝手言いたい放題。さらにはそこへゲイで自殺未遂の伯父フランクまで加わる始末。ママ、シェリルの孤軍奮闘も虚しく家族はバラバラ。そんな時、オリーヴに念願の美少女コンテスト出場のチャンスが訪れる。そこで一家は旅費節約のため、オンボロのミニバスに家族全員で乗り込み、はるばる開催地のカリフォルニア目指して出発するのだった。だがその道中、彼らは各々の問題と直面してその現実と向き合う羽目になるなど、散々なドライブに。そして、一家に衝撃的な出来事が起きてしまう…。
 
 
脚本・演出・編集・役者、どれをとっても特A級!
 
コメディタッチな傑作ロードムービー!
 
 
とくに脚本は、地味な設定の上から練りに練ったという感じで素晴らしいデキ。
誰もが共感できるように周到に計算されています。
 
 
有名作ではありませんが、笑いあり、涙あり、誰でも楽しめる完璧な映画です。
文句のつけようがないです。
 
 
ちょっと落ち込んでいる時に観ると笑い泣きしちゃうこと必至!!
 
 

 

第2位 「野いちご」

 
妻に先立たれ、子どもも独り立ちしたため、家政婦と二人きりの寂しい日々を過ごしている78歳の医師イーサク(ヴィクトル・シェストレム)。そんな彼に名誉博士号が贈られ、ルンド大学での授賞式に出席することに。受賞式前夜に死を暗示するような夢を見たイーサクは、予定していた飛行機ではなく、車でルンド大学へと向かう。息子の妻マリアン(イングリッド・チューリン)を同行させて車を走らせる中、ふと彼は青年時代の夏を過ごした屋敷へと寄り道する。その景色を眺めるうちに、過去の記憶がくっきりとよみがえり……。
 
こいつも傑作ですよ!
地味ですが、映画好きなら一度は見て欲しい。
 
 
「野いちご」はスウェーデンの巨匠、イングマール・ベルイマンの代表作のひとつで、老医師が旅をしながら自分の歩んできた人生を回顧し、総括する、という内省的なストーリー。
 
 
ベルイマンの映画は難解でよくわからない部分もありますが、不思議とずっと見入ってしまいますね。モノクロですが、カット割りや人物配置、それに美術が美しくて、見ごたえあります。
 
リアリズムからはちょっと浮いた幻想的なシーンが多くて、そこがロードムービーとしては珍しいかもしれません。突然挿入される主人公の白昼夢が、シュールな味わいを醸し出していて面白いです。
 
 
老境に入ったらぜひもう一度観てみたい映画。
きっと今の自分とは違った感じ方ができるに違いありません。
 

第1位 「都会のアリス」

 
 
旅行記の執筆のためアメリカを放浪していたドイツ人作家フィリップが、帰国のため立ち寄った空港で9歳の少女アリスとその母に出会う。ひょんな事から少女をアムステルダムまで連れて行くこととなったフィリップ。しかし待ち合わせたアムステルダムに母の姿はなく、彼は少女の記憶を頼りに祖母の家を探す旅に出ることとなる。
 
第1位はコレ!!
ヴィム・ヴェンダースの「都会のアリス」!
 
 
ロードムービーの大家であるヴィム・ヴェンダースの初期「ロードムービー三部作」のうちのひとつです。
 
 
理屈抜きに好きすぎる映画なので、なかなか客観視できません💦
 
 
設定が似ているので「ペーパー・ムーン」とよく比較されることがありますが、どちらが好きかと言われると、私は「都会のアリス」に軍配を上げます。
 
 
なぜか?
わかりません!!
 
 
だって好きなんだからしょうがないじゃん、という感じ。
 
 
「ペーパー・ムーン」が正統派なハートフル・ロードムービーだとすると、
「都会のアリス」は素直に正統派には行けないで、ちょっとひねくれている感じがします。
 
 
脚本の欠点も多々あります。アラを探すのは難しくないです。
ストーリーがやや強引だし、実験的な妙なシーンも挿入されているし、ご都合主義っぽいところもあって完成度が高いとはとても言えない映画。
 
 
全体のバランスも、観終わった後の感動量も、冷静に考えれば「ペーパー・ムーン」のほうが上なのですが・・・
 
 
なぜかこの映画のぎくしゃくした編集の仕方、最後の落とし方が個人的に沁みるんですよねぇ・・・・
 
 
最後に明確な方向性(主人公たちの行く末)を見せずに、いろんな解釈が可能な解放感のあるラストシーンが溜まらないです。
 
 
カメラの長回しが多く、途中で飽きちゃう人も居るかもしれませんが、とりあえず最後まで観て!
 
 
これぞロードムービーの古典名作、という極上の映画体験が得られますよ。
 

 
 
以上、私の選ぶ
 
洋画の傑作ロードムービー
 
ベスト10でした!
 
気になったのがあったら是非観てくださいね!