一度は読みたい!初心者におすすめの【海外ミステリー小説】古典名作10選

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海外ミステリーの基本的な面白さが詰まった

「読みやすい」「ワクワクする」

推理小説の古典名作を10冊ご紹介します!

あまり海外ミステリーを読んだことがない、という初心者の方向けにセレクトしてみましたので、気になるものがあったら是非チャレンジしてみてください。

今やミステリーは数多く存在するエンタメジャンルの一部(あるいはその中の要素)に過ぎませんが、人間が純粋に「面白い!」と思える【謎解き】を主題にしているので、古典ミステリーも一度ハマってしまえれば年齢に関係なく楽しめる鉄板の小説ジャンルです。

私も読書の楽しみ方を主に海外ミステリー小説に教えてもらったクチですw

「これは死ぬ前に読んどこうゼ!」

と胸を張っておすすめできる

傑作の数々をまとめましたのでどうぞっ!




1.【緋色の研究】コナン・ドイル

名探偵の代名詞シャーロック・ホームズシリーズの記念すべき第一作。

長編ですが、「ミステリー」と「探偵小説」の基本的な面白さが見事に配置されています。

特にホームズとワトスンが初めて出会い、同居をはじめる冒頭のシーンは今呼んでもワクワクします。平々凡々なワトスン博士の目線から語られる「天才」ホームズの変人っぷり・異常性には狂気すら感じますね。こういう主人公像、たまりません。

シリーズを一度も読んだことのない人はホームズを正義感の強い「善玉ヒーロー」的なイメージで捉えていると思いますが、実はかなりダークで冷徹な一面も持ち合わせています。ごく稀にですが警察ではなく犯罪者の側に加担したり、精神的な刺激を得るためにこっそりコカインやったり、かなり反社会的なモラルの持ち主。

ホームズはよく「僕は一歩間違えれば犯罪者になり得た」的な発言もしていて、正義の味方というよりアブない天才みたいなキャラクター。もちろん基本的には「善玉」の面も持ち合わせているので、その二面性が最大の魅力だと思います。

私事になりますが、小学校の4年生くらいまで、私はまったく本を読まない子どもでした。あまりに本嫌いなので心配した母親が差し出したのが、この「緋色の研究」。

与えられてから数日でむさぼるように読んでしまった思い出があります。

凄惨な殺人事件を題材にしているのでモラル的に子どもに薦めるのはどうかとも思うんですが、個人の経験から言わせてもらえれば、小学校高学年くらいなら喜んで読むと思います。本嫌いのお子さんに劇薬的に与えてみるのも一興かと思います。

事件の謎もさることながら、ホームズのキャラが好きすぎて惚れてしまったんですねw

ホームズは鉄板の名作ドラマが存在するので、ドラマから入るのもアリだと思います。

ジェレミー・ブレッドの演じるホームズは超イケメンでイメージ通り。

これ以上無い完璧なホームズ・・・・!

2.【シャーロック・ホームズの帰還】コナン・ドイル

ホームズの長編はページ数が多くてしんどい、という場合は短編集から入るのもアリだと思います。短編も一話一話、トリックがあって英国ゴシック的な雰囲気があって素晴らしいです。

個人的なおすすめ短編集は

「踊る人形」

「さびしい自転車乗り」

「僧坊荘園」

の3つが入っている「シャーロック・ホームズの帰還」です。

どれもタイトルがイイ!!

謎めいていて詩的でたまりませんね~

(*’ω’*)

でもホームズシリーズはどこから読んでも面白いので、パラパラと眺めて気になった短編から好きに読めばいいと思います。

3.【モルグ街の殺人】エドガー・アラン・ポー

1841年にアメリカで発表されたエドガー・アラン・ポーの記念碑的な推理小説。

名探偵の元祖オーギュスト・デュパンが登場します。あのシャーロック・ホームズも、このデュパンにインスパイアされて誕生したキャラクターと言われていますよね。

いちおう定説としてはこの「モルグ街」がミステリー史上「最初の推理小説」と言われています。密室・トリック・謎解き・アッと驚く意外な犯人・・・・近現代のミステリーの基本的な要素がほぼすべて詰まっている、ショーケースのような見事な短編です。今読んでも純粋に面白い。

ポーは文学界では桁違いの天才と言われていて、著名な詩人でもあり、ほかにもホラー小説や純文学的な小説も多数書き残しています。でも、何よりも純粋に読者を楽しませるための「推理小説」「探偵小説」を生み出した功績が非常に大きい。文章だけでこんなエンタメが成立するなんて、すごいとしか言いようがないです!

未読の方は一度、心を無にして味わってほしい傑作です。

4.【ABC殺人事件】アガサ・クリスティー

アガサ・クリスティーの作品で最初に読むべきおすすめはどれか?

私はダントツでこの「ABC殺人事件」を薦めます!

事件のはじまりは名前が「A」ではじまる小さな町で、名前のイニシャルが「A」ではじまる女性が殺害される、というもの。さらに時を置かずして、名前に「B」がつく町で、やはりイニシャルが「B」の女性が殺される・・・・

連続する事件に関連性はあるのか!?

犯人の真の狙いはなにか!?

名探偵エルキュール・ポアロの「灰色の脳細胞」が冴えわたります。

今で言う劇場型犯罪ものに近い導入部の派手さがたまりません。

単純明快にワクワクできる稀有な作品ですね!

提示される「謎」の不気味さとわかりやすさ!

名探偵ポアロの順序立てて展開される名推理!

ポアロと助手のヘイスティングスのコミカルなやりとり!

とにかく話の進め方が丁寧で、読書が苦手な人にも入りやすいハズ。

いわゆる「ミッシングリンク(例:一見関連の無さそうな複数の事件が実は繋がっていた!みたいなヤツ)」の元祖と言われていますが、元祖にして最高峰。

クリスティーの文章は独特のクセがあってはじめは読みづらいかも知れません(私も最初は苦手でしたw)が、探偵役のキャラクター(ポアロ)の魅力に気づくとスルスルと読んでしまえます。ミステリーの女王と呼ばれるだけのことはありますね。

ポアロは自尊心が強くてちょっと高飛車な態度をとりがちですが、どこか小心者で憎めないキャラ。身なりの立派な紳士なんだけど、女性にはあまりモテないところが逆に魅力ですw

哀愁があるというか・・・・

5.【予告殺人】アガサ・クリスティー

クリスティーの中では個人的に最も好きな作品。

これも事件のはじまりがシンプルで分かりやすくて素晴らしい。

「殺人お知らせ申しあげます。――10月29日金曜日、午後6時30分より、リトル・パドックスにて、お知りあいの方のお越しをお待ちします」

とあるイギリスの田舎町の新聞の広告欄に、こんなお知らせが。

町中がこの不気味な殺人予告で話題騒然。

そして実際に指定された時刻と場所で、事件が起こる・・・・

このド派手な事件を解決するべく、おばあちゃん名探偵のミス・マープルが登場します。

クリスティーはエルキュール・ポアロをはじめとする名探偵をたくさん生み出していますが、個人的にはミス・マープルが一番好きです。上品な身なりとは対照的な、押しの強い強引な捜査手法に惹かれます。おばちゃん強し!

クリスティーは雰囲気やトリックも超一流ですが、奥深いキャラクター造形と登場人物たちの心理描写が見事すぎます。

前述のホームズは内面の葛藤をあまり感じさせない超人的なヒーロー探偵ですが、ポアロやマープルさんはもっとリアリティのある親しみやすい名探偵ですね。

6.【Yの悲劇】エラリー・クイーン

エラリー・クイーンは作品数が多すぎて

どれ読んでいいか分からない!

って思いませんでした?

私もそう思いました。

でもご安心。ひとつだけお薦めします。

他にも多数の名作がありますが、はじめに読むなら

「Yの悲劇」

でしょう!

何故かというと、この作品は王道なミステリー小説の骨格(待ってました!)と、哀しすぎる意外性(読まなきゃよかった!)が同時に味わえる稀有な作品だからです。

ニューヨークに大邸宅を構える富豪の「ハッター家」にまつわる事件で、当主であるヨーク・ハッター氏の突然の自殺を境に、一家の人間が次々と謎の死を遂げていく・・・・という連続殺人モノです。

お金持ちのハッター家の面々が冷酷で胸クソの悪い変人ばかりで、これがまた不気味で面白いんですが、その一族の歴史にも隠された秘密があります。

クイーンの初期の名探偵ドルリー・レーンが大活躍します。

レーンは単純に謎解きに情熱を傾けるような「正義の味方」キャラではなくて、もうちょっと全体のことを考えた思慮深さを持った風変わりな博識キャラで、大人の落ち着きがあって知的でカッコいい。60を過ぎた渋めの名探偵で、世事にも長けています。

ドルリー・レーンが主人公のシリーズは全部で4作で、Yの悲劇は2作目に当たります。

気に入ったらほかの3作も読んでみてください。

探偵役が同じなだけでそれぞれ独立した作品なので、どこから読んでも問題はないですが発表順は以下になります。

1.Xの悲劇

2.Yの悲劇

3.Zの悲劇

4.レーン最後の事件

7.【黄色い部屋の秘密】ガストン・ルルー

すみません、コレは決して「読みやすい」作品ではありませんが、古典ミステリーの鉄板である「密室トリック」の代表作なのでチョイスしました。

正直、文章はちょっと古風でゴツゴツしていて読みにくいんです。

推理小説に不慣れな人は、はじめはエラリー・クイーンあたりを一通り読んでみて、ミステリーを読み慣れたあたりでコイツにチャレンジしてみて欲しいです。

ガストン・ルル―と言えばオペラ座の怪人の原作者としてのほうが有名ですが、実はこんなミステリー史に残る傑作を書いてもいるんですね~

「オペラ座」もストーリーの構成は非常にミステリーっぽいですから、本来ルル―はミステリー肌の作家さんだったのかもしれません。

密室のトリックとしては「これはフェアじゃないんじゃないか」という意見もありえますが、初めて読んだ時は素直に「やられた!」と思いましたし、推理に行きつくまでの思考過程が面白いので文句ないです。

探偵役はジョゼフ・ルールタビーユという18歳の新聞記者ですが、けっこう閃きや直感の優れた天才肌。彼の作中の行動には少なからずツッコミどころはあるんですが・・・・

・ちょっと新聞記者にしては出しゃばり過ぎじゃないのー?

・犯罪を未然に防ぐ意識に欠けているぞ!

・18歳の知識量・思考力とは思えないね!?

ま、時代的な仕様と思って目をつぶりましょう!

それらのアラを差し引いても、雰囲気と不気味な謎で十分ワクワクさせてくれます。

後続のミステリー作家に多大な影響を与えていることは間違いない傑作。

8.【僧正殺人事件】ヴァン・ダイン

一時代を作った大作家ヴァン・ダインの不朽の名作ミステリー。

童謡になぞらえて連続殺人が起こる、いわゆる「見立て殺人」の元祖的な作品で、これが無ければクリスティーの「そして誰もいなくなった」も横溝正史の「悪魔の手毬歌」も無かったかも知れません。

ファイロ・ヴァンスという素人だけど博学な名探偵が心理学を応用した華麗すぎる推理で事件を解決に導きます。

ヴァンスはどちらかというと「容疑者の心理を追っていけば、おのずと犯人に結び付く」という人間観察と想像力で捜査するタイプの探偵役。

殺人現場の物的証拠などをあまり重視せず、現代で言う心理プロファイリングに近いアプローチで犯人像に迫る推理法は、発表当時の1929年にはかなり先駆的で斬新だったことでしょう。「心理学探偵」の走りだったと言えます。

ミステリーの主人公としてはちょっと個性に乏しいキャラクターで、ホームズやポアロほどの人気はありませんが、推理のプロセスが神がかっていてカッコいいんですよ。読んでいてゾクゾクします。

「僧正殺人事件」はファイロ・ヴァンスのシリーズ4作目に当たりますが、なによりも「マザーグースになぞらえて殺人が起こる」というホラーめいた事件設定が秀逸!

童謡と殺人事件をクロスさせる、という天才的発想が素晴らしい一作です。

トリックものとしても見事で思わず唸ってしまう完成度。

ミステリー史に燦然と輝く名作なので、未読であればぜひ。

9.【グリーン家殺人事件】ヴァン・ダイン

上記の「僧正殺人事件」と甲乙つけがたいバランスの良い名作推理小説!

名探偵ファイロ・ヴァンスのシリーズ第3作目に当たります。

前述のクイーンの「Yの悲劇」や小栗忠太郎の「黒死館殺人事件」などに代表される、俗に言う「館もの」の元祖的な作品がこの「グリーン家」。

特にエラリー・クイーンの「Yの悲劇」は「グリーン家」と設定が酷似していますね。

設定に影響を受けたことが容易に見て取れます。

現代でもミステリーでは様式美的な感覚で「古びた洋館」「お金持ちのお屋敷」はよく使われますよね。現在でも使われているミステリーのいわゆる定番設定を作った作品とも言えます。

やっぱ事件は館で起きなきゃね!!

(≧◇≦)

ヴァン・ダインは日本語の翻訳ものが手に入りにくいようですが、この「グリーン家」は比較的どこにでも置いています。古典名作のひとつと考えられているからでしょうね。

10.【白い僧院の殺人】カーター・ディクスン

「密室もの」のスペシャリスト、ディクスンの登場です!!

パズル要素を持った密室トリックの面白さは、ミステリードラマなどで観たご経験のある方も多いのではないかと思いますが、その多くのパターンは実はディクスンが考案したものか、あるいはその発展形と言っていいと思います。

とにかく様々なパターンの密室が出てくる、出てくる・・・・

初期の赤川次郎や東野圭吾の密室トリックにも影響を与えていそうですね。

「カーター・ディクスン」というのはジョン・ディクスン・カーの別ペンネームで、どちらも作者は同じです。

ジョン・ディクスン・カーと言えば大作「火刑法廷」が圧倒的に有名ですが、オカルト趣味がすぎていて、構成も複雑で、あまりカーっぽくない作品なんですよね。そしてちょっとミステリー玄人向けというか、読みづらい気がします。

最初にカーを読むのなら、私は「カーター・ディクスン」名義のヘンリー・メルヴェール卿を探偵役にしたH・Mシリーズを推します。キャラクターの要素が強くて、導入部分が入りやすいので。(ディクスンのH・Mシリーズは長編で20作以上ある人気シリーズ)

この「白い僧院の殺人」もH・Mシリーズの中の一冊で、密室の定番「足跡のない殺人現場」を主題にしたトリックものです。死体発見の現場に居合わせた登場人物たちが繰り広げる推理合戦が、分かりやすいし、読みごたえがあって面白い!

個人的にH・Mシリーズの中で、ほかにおススメなのは次の3作。

黒死荘の殺人

ユダの窓

絞首台の謎

メルヴェール氏は気難しくて、すぐに嫌味なことを言うひねくれたおじさんなんですが、時折り見せる優しさと超人的な推理力のバランスが最高です。

エンタメの古典名作に触れてみよう。

いかがでしたか?

まだ読んでいないミステリー小説はありましたか?

もし古典ミステリーをこれから読んでみよう!と思っているのであれば、試しにここに上げたどれかを手に取ってみてはいかがでしょう。

(一番とっつきやすいのは、やっぱりホームズではないか、と個人的に思います)

ここに挙げた作品は古典ミステリーの超有名作なので、気に入った作家が見つかったら、ついでに他の作品も制覇してみてはいかがでしょう。特に探偵シリーズものは長く楽しめるのでおすすめです。

ミステリーは現代エンターテイメントの中でも古い歴史を持つ鉄板のジャンルなので、その基本となる古典名作に触れてみるのも楽しいと思います。

推理小説・ミステリー小説は今もなお新しい作品が数多く創作されていますが、舞台設定やトリックなどは、ミステリーの歴史の初期段階で先人たちが書きつくしたと言っても過言ではありません。そのくらい、初期・中期のミステリー黄金期は創作の幅が広く、バラエティーに富んでいます。

もちろん、それら先人の築いた基礎を土台にして、現代ではさらに洗練された面白い作品が生まれ続けていることも見過ごせません。舞台となる時代や小道具・ガジェットは変わっても、人間が本来持っている知的探求心は普遍的なのかも知れませんね。

以上、初心者におすすめの【海外ミステリー小説】古典名作10選でした!

ぜひ素敵な読書ライフを。