ハロー、小さなポン助君、お母さんだよ。
まだこの世に生まれて間もない君に、
ちょっと一筆したためておこうと思うんだ。
忘れないうちに、お母さんの今の正直な気持ちを
書き留めておこうと思ったんだ。
君は今、リビングのソファに転がされている。
お地蔵さんみたいな綺麗な顔で眠っている。
君はまだ生後２週間で、今は１２月だ。
秋の終わりに、君は生まれた。
雲一つない快晴の日だったよ。
ところで、
君にちょっとだけ愚痴を言いたい。
君の責任ではないんだけれど。
心して聞いておくれ。
ハッキリ言うけど、君は最弱だ。
現在、地球上で最も弱い哺乳類だ。
地上最弱の生物と言ってもいい。
激よわ泣き虫モンスターですよ。
どのくらい最弱なのかって？
だってさ、言わせてもらうよ。
君は誰かの助けを借りないと
おっぱいも飲めないじゃないか。
ていうかおっぱい飲むのもまだヘタじゃないか。
上手におっぱいが吸えなくて、悔しくてすぐに
「えぅぅぅ・・・・」
ってか細い声で泣くじゃないか。
そんな生物、ほかにいる？
パンダの赤ちゃんだってもうちょっと生命力あるよ？
神様にモノ申すわけじゃないんだけど
君の生き物としての弱さは尋常じゃないと思うよ？
スライム・ベスのほうがまだ強いよ？
なんで神様はこの状態で出荷の許可出したんだろうね？
もうちょっと仕上がってからでもよくね？？？
お母さんはアタマの中がクエスチョンマークだらけだよｗ
だいたいさ、
自分で起き上がることもできないって、
どういうことなの？
どういう了見なの？
どうやって生きていく予定だったの？
そういうギャグなの？
ねえ。
それからね。
首が座ってないってのがもう致命的じゃん？
自力で生き延びる気ゼロじゃん？
こんなこと言いたくないんだけどさ。
君、お母さんのこと完全にアテにして出てきてるよね？
ハナっから介護してもらう前提だったんだよね？
お母さんだって万能じゃないんだから、
もうちょっと自分の身は自分で守って欲しいと思うわけよ。
もうちょっとライフセービングと危機管理能力を備えてから
お腹から出てくるべきじゃないかと思うわけよ。
無防備にもほどがあるわよ。
あまりにもか弱い君。
お母さんがつきっきりでボディーガードしないと、
君は数時間ともたずに死んでしまうに違いないよ。
夜がまた大変さ。
君がちゃんと息をしてるかどうか心配で
お母さんはおちおち眠れないんだよ？
ねえ、そのへんちゃんと分かってる？
お母さんの隠れた気遣い察してくれてる？
将来的にちゃんと査定に入れておいてよね？
(=_=)
でもね。
お父さんとお母さんは
そんな君が愛しくてならない。
そんで、それがどうしてなのかわからない。
ぜんぜんわからないんだ。
ただ可愛くて愛しくてさ。
君は不思議だ。
本当に不思議だ。
そこにいるだけで、
お父さんとお母さんを幸せな気持ちにできるんだ。
なんにも出来ないくせにさ。
ただのでくのぼうなのにさ。
愛される能力だけは、いっちょまえなんだね。
お父さんについて少し話そう。
君が生まれる少し前に、こんなセリフのテレビＣＭがあったんだ。
自動車のＣＭなんだけどね。
あの年の夏、俺は父になった。
当たり前だけど、
父になったからお前が生まれたんじゃなくて
お前が生まれて、俺は父になった。
お前、がんばれよ。
俺も負けねぇよ。
なんか、うまく言えないんだけどさ。
父にしてくれて、ありがとな。
君がまだお腹の中にいる頃、
お父さんはこのＣＭを観て号泣していたよ。
お母さんはそれを見てケラケラ笑ったよ。
「気が早すぎるでしょ」って。
「あとメンタル弱すぎ」って。
それからも何度かそのＣＭをテレビで見たけれど
お父さんはそのたびに目に涙を溜めてたよ。
笑っちゃうよね。
まあつまり、君のお父さんはそういうヤツだから。
ちょっと引くくらい感激屋さんなんだ。
そんですぐ泣くんだ。
でも優しいよ。
子どもと遊ぶのが好きなんだってさ。
良かったね。きっといっぱい遊んでもらえるね。
君がやってくるのを誰よりも楽しみにしていた人だよ。
ちょっと気が弱いけど、
君を思う気持ちは人一倍あるがんばり屋さんなんだぜ。
だから仲良くしてやってね。
それから、お母さんのことも話しておこうか。
お母さんは実を言うと、
子どもがそれほど好きじゃなかったんだ。
うるさくてわがままでやかましい。
どう接していいか分からない。
街で子どもを見かけると、避けて通ったもんだよ。
自分の子どもも、
実はそれほど積極的に欲しいとは思ってなかった。
お母さんは趣味人なんだよね。
読みたい本や見たいアニメが山ほどあって
生活よりもそっちを大事に思うタイプ。
自分でも子育てには向いてないってずっと思ってた。
でも君が生まれた途端、お母さんは変わったよ。
大げさに聞こえるかもしれないけど
こんな可愛いものがこの世にあるのかって思ったね。
マジで。
(∩´∀｀)∩
君が生まれた瞬間に、
たぶんお母さんも新しく生まれ変わったんだ。
それまで自分のためだけに生きてきたお母さんが、
はじめて「誰かのために生きねば」って思ったんだよ。
だから頑張るよ。
漫画もアニメも控えるよ。
・・・・
いや、でもブログ書かなきゃいけないからさ。
ちょっとくらいは読むけどね？
約束するよ。
君にお母さんの時間をささげる。
君にお母さんのエナジーをささげる。
命をかけて君のものになる。
（By 「チボー家の人々」）
そして君が大きくなって一人前の男になるまで、
お母さんは君を見守っていく。
それがお母さんの意思だ。
自分で選択した、未来だ。
（By 「星界の紋章」）
こんな風にお母さんを変えたのは君がはじめてだ。
「誰かのために生きてみよう」
って心から思えたんだよ。
一人じゃなんにもできない君が、偉そうに教えてくれたんだ。
だからさ。
なんか、うまく言えないんだけどさ。
ママにしてくれて、
ありがとな。
(^－^)
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